カテゴリ:フレパティ



――いっそ逃げてしまってはどうじゃ?  そんな彼女の言葉に誘われて、僕はこんな広い海の上にいる。潮風にあおられて放心したのはいつぶりだろう。三つ編みがぱたぱたとはためくのをいくら見ていても飽きなかった。 「ねえ、パティ、やっぱり戻るよ、こんなところまで来てなんだけど、きっと今ごろ大騒ぎになっているかもしれない」...