Live Like It's Spring 後語り


レイリタと植物の話書きがちなのは、二人が生命と切り離せないからだなあと書くたび思う。ペーパーと一緒に配布したかったから、家庭菜園のイラストにちょっと絡めた話が書きたかったのが始まりだけど、結果的に季節も絡めた話にできてよかったです。

レイヴンは自分の命がリタの才能や時間を費やしてまで長らえてもいいものだとは到底思えないから、ずっと悩みつづけそうだなと思う。心臓がなければもっと気楽なつきあいだったかもって考えることもあるかもだけど、心臓がなければリタと出会うことはなかったので、これが運命ってやつなんだ……。ただでさえ年の差もあるし。若いし。天才だし。

レイヴンはリタと近づくほど、一緒にいる時間が増えるほど、このまま一緒にいたらどうなるか、嫌でもいつか来る終わりについて考えることになる。レイヴンは命あるものは死ぬという自然の摂理を一度外れてしまった(と本人は思ってそうだ)から、改めて終わりに向き合うというのは、レイヴンの命を今この世界の摂理に組み込みなおす行いでもあるような気がする。そんなことを考えてました。

自分の命は彼女に愛される価値がある、なんて思うのは難しくても、リタっちが愛すると決めたものはきっと最後の最後まで諦めないだろうということは、いつか疑いようがないくらいに信じてしまえるようになってればいいなと思う。季節が巡っていくことくらい自然でしかたなくて、ああ、じゃあしょうがないなあ、みたいに。