ずっとそばにいて

貴方はシュヴァリタで『ずっとそばにいて』をお題にして140文字SSを書いてください。 http://shindanmaker.com/375517 


「いっつも、どっか行きそうな感じがするのよ」

どこか寂しげに、不機嫌そうなお姫様は語る。

 

「どこにも行きませんよ」

「うそよ」

根拠のないことを言っても、賢い彼女は簡単に信じてはくれない。眉間にますますしわが寄ってしまう。

 

「ずっといなくならないって、約束してよ」

 

彼女自身もわかっているのだ。どこにも確かなものなんてないと。小さな手がすがるように腕をつかむ。その手にそっと自分の手を添え、もう片方の籠手をはずした。

 

「約束、しましょう」

 

ふたりでそうして指先を絡めたとき、なにかが壊れてしまいそうな気がした。たまらず腕を回して抱き寄せた。この温もりだけが、なによりも確かなものだと思えた。ずっと、なんて儚い言葉や約束よりも信じられるもの。

 

「……ありがとう」

 

震える声が胸に響いた。どちらも失うことにおびえて泣いている。それなら、ずっとふたりで泣いていようと決めた。

 


あとがき

 

個人的に騎士姫シュヴァリタは、もう本編レイリタよりもものすんごく静かでシリアスなイメージで、まずシュヴァーンがそういうイメージを背負っているので、自分の中のそういったものをどう表現するかが難しいなと思います。騎士姫パロけっこう少ないイメージなので増やしていけたらいいなあ。