形なんてなんでもいいから

レイリタの愛の言葉:鼓動も伝わってしまいそうな静寂の中、そっと手をとって「形なんて何でもいいから、ずっと一緒にいたいんだ」

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静けさがみちた部屋で、リタはずっと魔導器と向き合っていた。部屋の中に聞こえるのが自分の鼓動だけのような気がして、レイヴンはいくらか動揺した。

「うん、大丈夫じゃないかしら」

そう言って魔導器の上に手をすべらせる。レイヴンはその手をそっと取り、両手で包み込んでいた。気がついたらそうしていた。

 

「こんなものがなくても、リタっちは一緒にいてくれるの?」

 

そう言われたリタはぱっと顔をそむけ、慌てたように手を払いのけようとした。でもそうはさせまいとレイヴンはかたく手を握った。

 

「形とか理由とか、なんでもいいからさ、ずっと一緒にいてよ、おっさんと」

「な、にそれ、それって、うそ」

 

リタは顔を赤らめてひとしきりあたふたとしたあと、目を伏せたまま、レイヴンの手を握りかえした。

 

「あたし、あんたがそんなこと言ってくれるなんて思わなかった」

「おっさんも思ってなかった」

「なによそれ」

 

怒った声が涙まじりになり、やがて微笑みに変わった。めったに見せないその微笑みは、もう建前や理由なんてなんでもいい、と思わせるに十分なものだった。


あとがき

 

知らず知らずのうちにプロポーズっぽくなってしまいました。

こう短いのはばんばん書けていいのですが消化不良っぽくなるのがもどかしいところ……プロポーズネタとかはいずれ腰を据えて書きたいですね。